ファクタリングは手形よりはマシ?大手を優遇する「手形制度」とは


小さな企業には厳しい条件を課す日本の手形システム

実体経済の大きさより過剰な手形発行から、さまざま問題を連鎖させたバブル経済。古い話しを引っ張り出すようで恐縮ですが、大手が消えるその影で多くの中小企業が立ち行かなくなりました。

 

 

もちろんバブルに関係なく、日本の手形システムは小さな企業には厳しい条件を課しています。そしていまはファクタリングが少しずつシェアを上げていますが、手形のことを知るほど、(もちろんすべてではありませんが)大手取引先がこのシステムに優遇されている気がします。

 

 

ここでは、この構図をもう一度振り返りながら、企業間の債権の行方について考えてみました。

 

 

手形取引は大手優遇する制度?

 

何かと不備が多く見られる手形取引ですが、それでも手形に関するネガティブな意見がみられないのは、どういうことなのでしょう。

 

 

たとえば、米国では、手形の裏書譲渡に関して意見を求めても、「取引のない企業から発行した手形が回ってきて、支払いを受けるなんて、そんな複雑な事をするのか理由がよくわからない」と反対にいなされてしまいます。

 

 

また、手形はかならずしも現金化できる保証がありません。この事実はちょっと手形を勉強すれば、誰でも疑問に思うことです。これだけIT化が進むなか、手形取引の不確定さに疑問の声を上げないのは腑に落ちません(知らないところでは、とっくに上がっているのかもしれませんが...)。

 

 

手形割引が使えると言っても、ファクタリングとはちがって、この場合も現金化できるかは審査にゆだねられます。しかも手形は裏書譲渡しても、振出人の破綻リスクは納品先の企業が負わなければなりません。この辺まで来ると、大手取引先がどれだけ優遇されているのかと、言いたくもなってきます。

 

 

日本で長く手形取引が使われたのは、大手を崇拝しすぎた日本経済に問題があったことも一理あるのではないでしょうか。

 

 

手形の電子化は悪しき習慣を残したまま

 

ただし、大手を長く甘やかし続けた国自体にも問題はあります。たとえば、韓国ではすでに2001年ごろから、手形の裏書、譲渡による連鎖不渡りなどの手形の逆機能をなくしたオンライン手形が出現しています。

 

 

日本でも2008年12月に「電子記録債権法」が施行されたわけですが、それまではシステムが整わず使いものにならなかったようです。2010年には地銀でも日本電子債権機構(JEMCO)の発行する電子記録債権を割引くサービスを開始したようですが、裏書、譲渡に関しては紙の手形のままで、とくに変わってはいません(韓国のような機能変化はない)。

 

 

つまり、電子債権で変わったのは、パソコンによる入力で作業が簡素化したことぐらいで、手形の持つさまざまな問題点には、ほとんどメスが入らなかったことになります。手形割引もできるのですが、審査などは基本的に何も変わっていないようです。まるで、変わらないから良かったと言われているかのようです。

 

 

ファクタリングにも問題はあるが手形よりはマシ

 

電子債権でも従来あった紙の手形と変わることが(ほとんど)なかったわけで、電子債権はそれほど盛り上がりをみせていません。それとは関係なく、ファクタリング自体は徐々に利用者数を増やしています。

 

 

ファクタリングにも問題はあリます。ただ、どう考えても手形よりは優れた機能を有しています。何より手形は、将来の現金化を約束はしていますが、保証はしていない紙切れです(人からいただくのもイヤなものですが、渡すのも避けたいですよね)。

 

 

ファクタリングも手形に似ていますが、ファクターが債権を完全に買取ることです。銀行も同じように譲渡を受けるわけですが、完全に買取ったわけではないようです。この中途半端(?)なところが、手形を難しくしています。

 

 

いずれにしても、手形任せの日本経済は新しい世代が終わりにしてくれると思います。そうなれば、資金繰りや入金をそれほど気にせず、本来の仕事のもっと集中できる時代が来ると思います。

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