ファクタリングが嫌がれる理由


欧米のファクタリングの歴史は意外に古い

ファクタリングの歴史は古く、イギリスでは14世紀後半に売掛債権の支払保証をするフファクターが存在していたそうです。アメリカでも19世紀ごろにファクタリングの歴史がはじまり、いまではごく普通の資金調達方法として定着しています。

 

 

日本では昭和47年に導入されたファクタリングですが、その仕組みはほとんど根付きませんでした。ファクタリングが、日本ではなぜ根付かなかったのでしょうか。歴史を振り返る意味でも、興味のある方は読んでいただくと面白いと思います。

 

 

いまも根深く存在しているファクタリングが煙たがれる理由

 

ファクタリングは売掛金を譲渡して(ファクター側からみれば買取ってもらって)早期に資金を手に出来る画期的な資金調達方法です。しかし、日本ではこれが長く根付きませんでした。ファクタリングではなく、手形の裏書譲渡は可能なのに、大手を中心にファクターの債権譲渡が嫌がられるというのはおかしな話です。

 

 

また、売買契約書の中に、売掛金の譲渡を禁止する「譲渡禁止条項」がいまだに記載されていることも事実ですし、大手の中にはファクタリングを使いたいのだと言うと、信用不安からなのか、取引を打ち切るといった理解に苦しむ会社もあると聞きます。中小企業の経営者が、ファクタリングの導入に慎重にならざるを得ない気持ちは良くわかるところです。

 

このような遅れた商習慣が、日本において、ファクタリングの導入が遅れた理由ですが、社会環境面からの理由も3つ挙げられます。

 

ひとつは、信用調査部門の立ち遅れが大きいということ。
つぎに、日本では手形の流通が諸外国に比して盛んだということ。
3つ目は、債権譲渡を主張するための法律要件(第三者に対抗する要件の具備)が整わず、障害となったいうことです。

 

 

じつは古い習慣(悪い習慣)を捨てきれない日本

 

まず、信用調査部門の立ち遅れというところで言うと、バブル期までは手形の流通が主流で、バブル崩壊後も2000年代までは、債務者の信用危険を引き受けるまでの調査能力はなかったと言います。いまは整いつつあると言っても、米国と比較すれば、その差は歴然としています。

 

 

2番目の手形取引が諸外国に比しても盛んだということは、すでにおわかりのことだと言えます。そもそも日本では、銀行の力が大きく、手数料収入で銀行を長い間潤わせてきました。

 

そして3つ目は、債権譲渡の対抗要件具備が障害となっていたということですが、これは、今日のような高度化した商取引を予測できなかったのですから、反省を踏まえて民法を早く見直すべきだったのです。

 

 

これについては、平成10年10月1日に「債権譲渡特例法」が施行され、民法の対抗要件制度に加え、新たに登記による対抗要件が創設されています。ただ、登記の期間については争点を残していたわけですが、平成11年1月29日に最高裁は8年3ヶ月の将来債権の有効性を認めた画期的な判決を下しています(現在、5年程度の登記が一般的とのこと)。

 

 

何はともあれ、社会環境面も次第に整いつつあると言った状況ではないでしょうか。

 

 

今後広がっていくことは確実なファクタリング

 

このように環境面、法整備ともに整いつつあるのがファクタリングを取り巻く環境ですが、難しい面はまだあります。ただ、ファクタリングへの変換が重要なのは、国の方向性をみても明らかでしょうし、今後は売掛債権担保融資とともに、資金調達の新しい分野として、周知されてくるはずです。

 

 

それと同時に、商品の仕入れ先である大手企業にも、売掛債権譲渡に関して、より柔軟な姿勢を期待したいところです。ただ、一部のファクターですが、2社間ファクタリングなど、これまでにない方式をうち出していますが、やはりファクタリングは、3社がオープンな姿勢で契約したほうが自然です。

 

 

どちらにしても、ファクタリングが今後広がっていくことは確実です。各方面で、関心をもって育てていければ良いかと思います。

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